【絵本】せっけんの こい

1 せっけんは、あらうだけではありません。

 せっけんのけんこさんは、ひきだしのなかで、かおりをだすしごと をしていました。

 ひきだしのなかにいる タオルやパンツたちは、

「いいかおりね!」

「うん、きもちがいいわ」

とはなをふくらませながら、けんこさんをほめてくれます。

かおりをプンプン。せっけんアイドルけんこさん♪

 あるひのことです。

このいえのおかあさんが、ひきだしからタオルをとろうとしたときでした。

 けんこさんは、タオルにからまってしまい、、クルクルクル、、、、、。

 ひきだしから、かおがでてしまいました。

 ひさしぶりにみる せんめんじょ。めのまえには、おおきなおふろばがあります。

「うわぁー。あれが うわさのおふろね。あれ?」

 けんこさんは、おふろばのおくに なにかひかるものをみつけました。

 ツルッ ピカ!

 おなじ せっけんがわらっています。

みずにぬれて かがやいている けんたさんです。

輝くけんたさん!けんたさんは、モデリングペーストで、ボコっと盛り上げてみました。

 

 「つるつるひかってるぅー!かっこいい!」

 けんこさんは、むねがドキドキしました。

「けんたさんは、すてきだわ。でも わたしのおはだは、カサカサ。けんたさんとおにあいじゃないわ」

 けんこさんは、ふぅーとおおきなためいきをつきました。

 なんにちかたった あるひのことです。

「このせっけん つかおうかなぁ」

おかあさんのこえがしました。

 けんこさんは、せんめんだいの せっけんざらのうえに のることになったのです。

 「うふふ。すこしは、つやつやのおはだになれるかしら」

 けんこさんは、おまんじゅうのように かおをふくらましてニンマリとしました。

 ジャーー。

 じゃぐちから でてくる とてもつよいみず。みずをあびながら しごとをします。びしょびしょになりながら、かぞくのてをあらいました。

 けんこさんは、あたらしいしごとに はりきっていました。

 

 いっしゅうかんたった あるひのことです。

 「あわ?」

 かがみをみると、かがみのなかには、やせた けんこさんがいます。

「あわ、これが わたしかしら」

 けんこさんは、おどろいて しゃがみこんでしまいました。

あわ あわ あわ あわ あわ あわ!

「なんで あわ!」

 けんこさんは、たくさん としを とってしまったのです。

 

 かなしいことは まだおこりました。

 あやちゃんが、ようちえんから かえってきました。

「おいしいものを つくりましょう~」

 あやちゃんは、けんこさんをつかみ、せんめんだいのあなをしめて、みずをためました。

そして、、、

「おいしーミールク。おいしいミールク。おーいしー ミールークー」

 うたをうたいながら、ためたみずのなかに

けんこさんを ほうりなげたのでした。

 

 あやちゃんは、けんこさんを みずのなかで ぐるぐるまわします。

「あわ あわ あわ あわ」

 けんこさんは、からだが かるくなりました。

「ほうら おいしいスキムミルクになりましたー」

 あやちゃんは、あやちゃんとくせいミルクづくりにむちゅうです。

 

 けんこさんは、なみをかきわけて みずのなかをおよぎます。あわあわと、あわもたくさんでました。

 けんこさんのからだは、はんぶんいじょう

あわとなって きえてしまいました。

あれ あれ あれ、、、あわ あわ あわ、、、。

 

 けんこさんは、なきたくなりました。

 けれども なくと からだが とけてしまいます。

 ぐっ ぐっ ぐっと、けんこさんは、なみだをこらえました。

 

 けんたさんが、かすかに みえます。とおくにいる けんたさんは つやつやひかっているし、ふとっています。

 おふろばでは、みんな ボトルのボディーシャンプーをつかうので、なかなか としを とらないで すむのでした。

 

「あぁ、わたしは けんたさんより ずっとおばあちゃん。さようなら けんたさん」

 

 ちいさく ちいさくなってしまった けんこさん。

 しずくがポタリポタリと、せっけんざらの上におちてきます。からだをぬらしているのは、なみだなのか、おみずなのか わかりません。

せっけん皿の上で泣くけんこさん。「けんたさんとこうだったらいいなー」と思いながら。。けんこさんもモデリングペーストで、盛り上げてます。

 

 けんこさんは、いろいろおもいだしました。

 ひきだしのなかで かおりをだして したぎたちに よろこばれてたなぁ。ても いっしょうけんめい あらったり したなぁー。

せっけんすいもつくったし。。

 そして ぐっと めを つぶった そのときです。

 

 「もったいないわねぇ」

 おかあさんのこえとともに けんこさんは つまみあげられてしまいました。

「こんなに ちいちゃくなっちゃって。くっつけちゃおうかしら」

 おかあさんは、けんこさんをけんたさんのうえにのせました。

 

 けんこさんは、けんたさんにおんぶしてもらうことになったのです。

 けんたさんは、おおきくて あったかな せなかでした。

「こんにちは!」

けんたさんから あいさつをしてくれました。

「えっっ」

「これから よろしく」

 けんこさんは、けんたさんのぶん ながくいきられるようになりました。いっしょに としをとることになったのでした。

よかったよかった(^O^)

 

 

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