児童文芸12、1月号のエッセイの森に エッセイを掲載しました。
「絵本を読みたくて」 常田メロン
今でこそ絵本が大好きで、読んだり作ったりしているが、幼い頃は、家に絵本がなく、読めなかった。
親の興味が、なかったのだろう。読み聞かせと言えば、大人用文庫版のアンデルセン童話。ひたすら父が読むのを聞いていた(手軽だし、父が読みたかったのだろう)。
もっぱら耳が頼り。人魚姫も親指姫も、手作り映像を楽しみ、後日図書館で見つけた時は「私のお姫様と違う!」とショックを受けていた。
絵本の名作、ミフィちゃん(当時はうさこちゃん)は歯医者の待合室で知り、ぐりとぐらは幼稚園で知り、絵本を沢山読みたくて仕方なかった。
でも飢えていた分、従姉妹が読まない世界物語全集が家に届いた時は(絵本でないけど)嬉しくて、低学年ながら夢中で読んだ。
後の本好き人生へと繋がっている。