少年(青年)時代の心の空を感じて眺める詩集です。
時は流れるように過ぎていきますが、あの時、あの時の人を心にとどめておきたいなと思うことは、誰にとってもあると思います。この本には、そんな、その時の気持ちを残してくれている詩が、描かれています。
本を鑑賞すると、、いくつかの場面が心を駆け巡りました。その駆け巡った詩をご紹介したいと思います。
「牛乳」 人を信じる経験はこういう所からかな、、と思える詩です。少年のような体験があると、、この世の信じるところにつなぎ止めてくれるような。。心の核となっていくような。。梅田おばちゃんの何気ない機転は、暖かい記憶でしょう。読むと優しいい気持ちになれます。
「にじ」 皆と共有できる美しさがある虹。たとえ雨が降っても、みんなで風景を楽しみたい。。心の中が嬉しさでいっぱいになります。
「頭をたたく人」戦争をご経験されたかたの戦後の様子を描かれています。戦争は経験しないと、本当の辛さは解りえないもの。たびたび去来するのかもしれません。そして頭を叩いて、戦後も静かに心に刻み続けているのかなと思いました。精神論では変えられないものをお持ちだなと感じました。
「十代」 とどまっている心。確かにそうですね。私もそうだと。。でも何かに守られていた中で、考えていたと思います。十代ってそうですね。
私、また多くの人は、いつも年齢に追いつかないままで年をとっていくと思うのですが、、今の自分は私と地続きでつながっているなと思います。
ふと懐かしい日々の気持ちにもどりたい時、、本の中の詩を読むと、過去流れた雲をもう一度眺めているような、、そんな錯覚に陥れるかもしれませんよ。たとえ同じような経験がなくても。ぜひこの詩集を開いて読んでみて下さいね。
らんか社より発売中
鈴木茂夫会長 日本児童ペンクラブ(http://jidoupen.jp/)会長
日本現代詩人会・潮流詩派の会会員
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%85%90%E7%AB%A5%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%96
改めて、この書評を再読しました。
45年間も、書評を書いてきた私ですが、深い理解に基づいた、ありがたい書評だと思います。
大変有難いコメント、ありがとうございます。
とても嬉しいですm(_ _)m