【紹介文&鑑賞文】素敵な方たちをご紹介

素敵な方たちをご紹介

先日、東京都富士美術館へ恩師である漆原智良先生の講演を聞きにいきました。
私は先生に童話だけでなく、生き方も学んでいます。
今回は、「優しさとは、口先ではなくて、その人の命を思い、包み込むこと」に深く共感しました。

漆原先生と子どもたち

講演の中で、先生の著書「天国にとどけ!ホームラン」の本のモデルとなった千葉清英さんともお会いしました。

東北の大震災をご経験された千葉さん。家族7人を亡され、千葉さんご自身も津波の中、橋のらんかんにしがみついて助かったそうです。

肋骨も折れ、凍傷にもなりますが、でも唯一生き残った瑛太君(当時小3)の為に、必死に生きられて、瑛太君の夢を叶える為にバッティングセンターを作られます。

辛い現実があっても、前向きに生きる姿勢が素晴らしいです。

人は、いつどうなるかわからないです。
東京だって、これから30年間に震度6以上の地震がくるのは100%です。

今この時、人との出会いを大切にしたい、と改めて思いました。口先だけでなくその人の命を包み込む優しさを持って。。。

漆原智良著 小学館


漆原先生の講演と同時開催のピーターラビット展にも行きました。

ここからは、文体を変えます(^^ゞ~~


ピーターラビット展で、ちょっとドキッとしたのは、この写真の家系図。

ピーターのお父さんがウサギパイとして紹介されている。

ウサギパイは、物語に書かれている通りではあるが、、家系図から「ウサギや家畜達にとって、食べられる事は、当然な事」と読み取れる。

確かに他の本を読んでても(例えば、「こぶたのピグリンブランドのおはなし」にしても)、ベーコンとハムにされてしまう事を平気で話してる。
すぐ逃げないし、眠いからって、寝ちゃたりしてる。

読者としては、「早く逃げればいいのに」と思わずにはいられない。

ビアトリクス ポターは農園家でもあるので、当然だけど、家畜動物への残酷な視点も感じる。



ビアトリクスは、正確に絵を描きたいため、解剖の研究もしている。

ウサギの皮をはぎ、煮込んで、肉と骨の繋ぎ、骨格をよく見る。
だからこそ、動物の立った絵が、不自然でなく描ける。

けして「カワイイ」からの視点だけで描いているのではない。研究対象して見てる。



また出版する時に、出版社全てに断られ、一番最初は、自費出版をしている。
その後に売れて、絵本の印税を湖水地方の自然を守る為に使ってる。

彼女の生き方に広い視野や強さ、信念みたいな物を感じてしまう。

1900年の始め、社会で女性が活躍するのが難しかった時代。
身分があり、当たり前のように差別も、あっただろう。
(生涯の説明の文章に、「両親が結婚に反対」の文字もよく登場していた。)

でも周りの意見に惑わされず、作品に対して、社会に対して、自分を貫かれているのは、とても素晴らしい。


ピーターラビット展は、9月3日(日)まで東京富士美術館にて開催。

 

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