足立区ギャラクシティ西新井文化ホールで行われた「狂言 空に舞え」を子供と鑑賞しました。
その感想と、狂言というものについて考えました。
狂言って、面白い。
複雑でも難しくもなく、とてもシンプル。
また「狂言 空へ舞え」では、指導、作、演出されている山下芳子先生が、子供に親しみやすいよう あらゆる工夫をされているから、より身近で親しみやすく感じる。
第1部では、稽古の一部紹介、わらべ歌や、盃、山下先生作曲のいろはうたを歌う。

第2部では、現代感覚もまじえた創作狂言。(パンフレットに内容解説や、歌詞の訳もわかりやすく書かれている) 突然地面にあいてしまった深い穴をモチーフに、様々な人間模様が描かれている。

穴があいて困ったという人、物を落として深さを見る人、新聞記者や穴埋め会社の人も現れる。そしてそれぞれの所作、声の出し方笑い方、表情一つで、面白さが倍増する。
「ひゃぁー」とか「そうそう」の言い方で、7歳の次女もケラケラと笑う。ごにょごにょと話す仕草で、場内がプッと吹き出す。
事件があるようでない話であるが、話をおっていくことよりも、この感覚的なものが面白い。感じることで、より面白さが引き立つ。
演じられている方は、区民応募をされた一般の方。 せりふを間違えたり、忘れてしまったりされているけれど、人間臭ささがいい。愛おしくなってしまう。 それに正しく言おうとするよりも、ニコニコ笑いながら演じている人を見るほうが、こちらも気持ちがいい。
なぜなら狂言は、笑い。間違えてもOK。楽しさが伝わる方が、こちらもずっとうれしい。
700年前は、もっと自由だった狂言。それが武士に保護されて形式が強くなっていったという。人は形から入ろうとするものだけど、、どんなものも いくら立派な器があったとしても、中のものが伝わらないと意味をなさないかもしれない。当の昔の人だって、真面目だけに生きていたわけでなくて 笑っていたはず。
私も子供も最初の狂言の出会いが、この素敵な舞台でよかった。
最後に、、山下先生はマイクで「努力することは簡単。決まったことをすればいいから」とおっしゃっていた。まさに名言。努力をしてからの創意工夫に本当の面白さと大変さがあるのであろう。
この身近に感じる創意工夫のある狂言がもっと広まり、皆が笑っていると、狂言そのものも脈々と次の世代へと生き続けると思う。
足立区だけでなく多くの人が気軽に見れるものであってほしい。
ややこしくなく楽しめる工夫がいっぱいの山下先生の狂言、グイグイ引き込まれるものがある。
公演の最後の最後は、恒例の豆まき!
また公演のお値段は、子供無料、大人は1000円。
また稽古公開日が一週間前と前日(値段は無料)にありました。ここにも狂言への入口がとても気楽なる工夫が♪

山下芳子先生のご紹介ヽ(´▽`)/
歓喜の演発起人、理事。狂言演出、指導 演者。演劇指導者、演出として「竹の塚劇団」(写真が次回の公演↓)「ドラマランド七味とうがらし」を率いる。
朗読講師。読み聞かせキャラバンを続け、声の出し方のワークショップを行っている。梅田図書館と提携の「朗読を飛び越す声の劇場リーディングシアター」は5年目を迎える。
狂言まいまい倶楽部ヽ(´▽`)/
現在1期生から11期生まで毎週金曜日に稽古を続ける。立つ座る、謡い舞うという狂言の基礎から上演まで、ピリッとした集中の時間を楽しんでいる。現在メンバーは、小学生から80代まで29名。